先輩インタビュー

先輩
インタビュー

vol.1

女性も男性も、みんなが輝ける
職場づくりをしたい

Y.S.(2012年入局)

人生には良い時も悪い時も必ずある。
自分が良い時は、人を支え
自分が悪い時は、周囲に感謝しながら嵐が過ぎることを待てる。
そんな人になれるように人生を歩んでいきたいです。

Y.S.

1985年福岡生まれ。2010年順天堂大学卒業後、2012年東京大学眼科学講座入局。2013年より関連病院に配属。2016年眼科専門医取得。2児の母。自身の医師と育児の両立をすることに心が折れそうになった経験から、眼科医としての研鑽に加え、今後の医療界のために仕事と家庭の両立が出来る仕組みづくりに寄与することが目標。

東大眼科入局のきっかけは?

救命よりも人のQOLをあげる医療に関心があって、眼科医を目指しました。東大を選んだ理由は、多様な分野を学ぶことが出来る医局だからです。

どのように働いているのですか?

最低1日1時間の勉強時間の確保することに尽力しています。朝が難しい時は、昼休みや帰宅前に空き時間を確保したいですが、なかなか出来ないです。1週間のスケジュールとしては、全ての土曜日に子供を保育園に預けて仕事の時間を捻出しています。以前は、子供を土曜日に預けることに後ろめたさがあったのですが、保育園にいる時間、子供は不幸ではないということを知りました。また「仕事をしたい」という気持ちをもって子供に接する方が子供に対して失礼だと感じました。そのために、土曜日は仕事に全力を注ぎ、日曜日は子供に全力を注ぐようにしました。

今後どのように働きたい?

1番は眼科医としての専門性を高めること。それに加えて、自分が挫折しそうになった時に助けてもらった医局に恩返しをしたくて、挫折しそうになった自分のような人が生まれない、働きたい人がいつまでもイキイキと輝きながら働いていけるような環境づくりにも寄与したいです。また余裕があれば楽しく働くコツや能力開発の研究をしてみたいです。

くじけそうになった時とは?

1人目を産後4か月で保育園に預けて職場復帰し、夜泣き対応をしたり、休憩時間に搾乳をしたりしながら精一杯働いていました。しかし産後5か月で「夜間当直」の再開を院長から指示されました。(現在の院長先生ではありません。また産休前に夜間当直は産後一年間なしと伺っていました。)

しかも当直再開指示と同時に、追い打ちをかけるように他科の先生から「当直をしないことは許されない。男女平等の働き方を知らないのか。」と言われました。その時に、辞めることを考えました。

この問題は結論から言うと、法律に詳しい親友の助言が解決してくれました。(労働基準法における母性保護規定 妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制限(法第66条第2項及び第3項):妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日労働、又は深夜業をさせることはできません。)

また、先ほどの先生は法律をご存知なかっただけで、ご理解いただいた後はスムーズに対応して頂き、今は良好な関係を築いています。私のように、「知らなかった」だけで、不幸なすれ違いが生まれることがあると知った貴重な体験でした。そのようなすれ違いを無くしたいです。

他に大変な時はありましたか?

長男が2回入院したのが大変でした。1回目は、勤務先の病院に入院させました。子供の病室から通勤することは想像以上に大変でした。

家庭と仕事の両立のコツは?

家事代行を利用しています。(掃除・料理・季節毎の洋服整理、子供の急病対応など)

おかげ様で家事の割合は、家事代行60%私と主人で40%という割合です。私の手料理が少ないことへの葛藤は消えませんが、夫婦で5年かけてこの環境を創り上げて、おかげで今フルタイム常勤として働いています。

また日曜日に家事をしないでいいので、子供とすぐにお出かけすることが出来ます。ただ、家事代行がなくなったらどうしようという不安があります。

感謝したい人は?

まず、私の産休中や職場復帰を支えて下さった多くの先生方です。次に自己肯定感が低い私に対して部長が「自信を持ちなさい」と言い続けて下さったことは仕事の大きな転機になりました。そして東先生と相原教授の力強いご支援です。最後に、仕事をしたい私を一番応援してくれる主人と子供に感謝です。

メッセージ

私も仕事や家庭でトラブルがあってくじけそうなタイミングは色々ありました。乗り越えられたのは、人に相談することが出来たからです。やりたいことを諦めるのではなく、やりたいことをやるためにどうするか?と考えることが大切だと学びました。


医師の家庭内パートナーとして

 正直、医師の働き方は、医師以外のものからだと分かりにくいことが多く、特に保育園探しでは仕事とみなされにくいことに困惑しました。所属する病院・医局や学会など仕事が多岐に渡っているのに、仕事か自己研鑽かの判断が難しく、しっかり情報収集・書類作成をしないと保育園に入ることが難しいということが分かりました。

 妻の出産前に「医師は優先的に保育園に入れる」という誤った噂を聞いていたので、保育園が入園困難であるという現実は青天の霹靂でした。だからこそ、治療にあたるように、正しい情報収集と適格な判断の必要性を実感して対応して、夫婦をチームとして機能させるために、スケジュール管理をGoogleカレンダーで共有して、EvernoteやDropBox等ITツールを活用して乗り越えてきました。

 私たち夫婦が、「情報があれば困らなかったのに。」という情報や活かして欲しい経験などは是非とも、組織としての経験にしていただいて、たくさん仕事があって大変な医師の働きやすさに繋がるサイトに育っていくことを願っています。

 仕事も大事ですが、世界平和の第一歩は、家庭平和です。その家庭平和につながるような、有益な情報交換が出来るサイトになることを祈っています。

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